配偶者ビザの申請において不許可となりやすいケースと対応方法について説明します。

配偶者ビザの申請をしたけれど不許可・不交付になってしまった場合は、ご自身が以下のような状況にないかを確認して下さい。

なお、偽装結婚である場合以外は下記のような状況にあるからといって必ずしも不許可・不交付となるということではありませんが、許可されるためには再申請の場合に限らず初回申請であっても特に入念な説明と立証が必要となります。

[topic color=”red” title=”偽装結婚である場合”] 偽装結婚である場合はビザが許可される可能性はゼロです。
残念ながらサポートをしてくれる専門家もゼロです。
たとえ仮に偽装結婚で配偶者ビザを取得できたとしても、人生においてマイナスになるだけであってプラスになることはひとつもありません。
したがって偽装結婚が目的でこのサイトを見ている方は、以下をお読みいただいても何ら参考にはなりませんのでページを閉じていただくようにお願いします。
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配偶者ビザの判断基準

法律的にきちんと婚姻が成立していて、外国人の方が日本の民法上も配偶者になっているからといって必ずしも配偶者ビザが取得できるとはかぎりません。

日本人の配偶者としてビザが認められるためには、法律上の有効な婚姻関係が成立しているだけではなく、夫婦がお互いに協力し合って助け合いながら継続的・安定的に共同生活を営むという社会通念上の実体をともなっていなければなりません。

つまり簡単にいうと、➀偽装結婚でないか、➁継続的・安定的に夫婦生活が送れるか、という判断基準で審査されるということです。

※最高裁判所の判決でも「日本人との間に婚姻関係が法律上存続している外国人であっても、その婚姻関係が社会生活上の実質的基礎を失っている場合には、その者の活動は日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当するということはできない」とされています(最高裁平成14年10月17日判決)。

配偶者ビザが不許可になりやすいケースは、総じてこの➀偽装結婚でないか、➁継続的・安定的に夫婦生活が送れるかという観点からすると疑問をもたれやすいケースといえます。

具体的には以下のようなケースです。

 

配偶者ビザが不許可になりやすいケース

夫婦の年齢差が大きいケース

夫婦の年齢差が大きい場合は、本当の結婚かどうかが疑問を持たれやすいです。

確かに最近では特に年の差婚がめずらしくはありませんが、一般的にはあまり年の差がある人どうしが結婚するケースは少ないといえるので、配偶者ビザの申請においては入管から偽装結婚ではないかと思われやすいのが事実です。

年齢差がおおむね10歳以上ある場合は結婚の信ぴょう性を強く証明するために、申請書類で交際経緯や生活状況などを詳細に説明することが必要です。

具体的には、以下のようなことを記載した理由書や説明書を作成し、写真やメール、LINE、手紙、電話の通話記録などの資料を添付して申請します。

  • 知り合ったきっかけ
  • 交際することになったきっかけ
  • 交際の態様
  • 結婚にいたった経緯
  • 現在の生活状況
  • 将来の家族計画
  • 年の差についての考え

 

結婚紹介所、結婚仲介所、結婚相談所などで出会って結婚したケース

結婚紹介所、結婚仲介所、結婚相談所などで出会って結婚した場合も結婚の信ぴょう性に疑問を持たれやすいケースです。

これは結婚相談所等で出会うことがいけないということではなく、過去に結婚紹介所やブローカーが関与した偽装結婚が多発したため入管の審査が厳しいということです。

また、このような出会いをしたカップルは交際期間が短いことが多いので、入管からは本当に結婚する意思があるのかとか、結婚後も本当にお互い協力しあって助け合いながら結婚生活を送れるのかといった観点からも疑問をもたれやすくなるからです。

このようなケースにおいても、申請書類で交際経緯や生活状況などを詳細に説明することが必要です。

具体的には、上記の年齢差が大きいケースの場合と同様のことを理由書や説明書に記載して写真等の立証資料を添付します。
さらに以下のようなことも記載するとよいでしょう。

  • 日本人の方が外国人の本国に行った回数
  • 日本人の方が外国人の方の親族に会った回数
  • 結婚式や披露宴をした事実

 

 

SNSなどで知り合って結婚したケース

SNSなどのインターネットで知り合って結婚した場合も、交際期間が短いことが多いので、上記の結婚紹介所などで出会って結婚した場合と同様に結婚の信ぴょう性に疑問を持たれやすいケースです。

このようなケースでも結婚の信ぴょう性を強く証明するために、申請書類で交際経緯や生活状況などを詳細に説明することが必要です。

 

言語能力が不十分なケース

夫婦がお互いに協力し合って助け合いながら継続して共同生活を営むためには、お互いの言語コミュニケーションがきちんととれていないと通常は難しいので、夫婦どちらかの言語能力が不十分な場合も結婚の信ぴょう性に疑問を持たれやすくなります。

配偶者ビザの申請時に必要となる質問書にも語学力や普段会話で使っている言語を記載する欄があります。

もし、語学検定証や学校の卒業証明書などで夫婦どちらかの言語能力を立証できる場合は問題ありませんが、そうでない場合には普段どのようにしてコミュニケーションをとっているのかを立証しなければなりません。

具体的には電話の通話記録や手紙、メールのやりとりなどで立証していきます。

 

離婚歴があるケース

日本人の方に外国人との離婚歴があったり、外国人の方に日本人との離婚歴がある場合も結婚の信ぴょう性に疑問を持たれやすいケースといえます。

なぜなら、偽装結婚を繰り返していて、今回の結婚も偽装ではないか?と思われやすいからです。

したがって、このようなケースでも結婚の信ぴょう性を入念に立証していかなければなりません。

具体的には、説明書や理由書で離婚に至った経緯、離婚するまでの期間、子供の有無、養育費の支払いの有無、今回の結婚に至った経緯などを記載して立証していきます。

 

同居する住居が狭いケース

結婚後に夫婦が同居する住居が狭い場合も不許可になりやすいケースといえます。

[colwrap][col2]なぜなら、あまりにも狭いと本当に結婚しているのか?継続して安定的に結婚生活を営んでいけるのか?と思われるからです。

特に結婚後にワンルームマンションに住むことになっている場合や、お子さんがいる場合などは注意が必要です。

結婚後に同居する住居が狭い場合には、説明書や理由書で、なぜその住居に住むのかという理由や、引っ越しを予定しているのならその旨を記載することが必要です。[/col2][col2][/col2][/colwrap]

 

収入が少ないケース

結婚後の夫婦の世帯収入が少ない場合も継続的・安定的な共同生活ができるのかという疑いを持たれてしまいますので、不許可になりやすいケースといえます。

具体的には、住民税の課税・納税証明書などから直近1年間の収入額が、【(本人+扶養人数)×78万円】で計算した金額以上であるかどうかが一応の目安とされています。

ただし、収入が少ないからといって必ずしも配偶者ビザを取得できないというわけではありません。

理由書や説明書で、生活していくための資産があることや今後生活していくのに問題が無いということを説明し、添付資料等できちんと立証すれば、許可を取得することは可能です。

 

日本人配偶者が納税していないケース

日本人配偶者の方が、税金を滞納していたり、未納の状態である場合も継続的・安定的な共同生活ができるのかという疑いを持たれてしまいますので、不許可になりやすいケースといえます。

なぜなら、配偶者ビザの申請においては通常、日本人配偶者の方を身元保証人として申請しますが、身元保証人である日本人配偶者の方が国民の義務である納税義務を果たしていないということは、身元保証できないのではないかと疑問に思われやすいからです。

ただし、この場合も滞納や未納があるから絶対にビザが許可されないというわけではありません。

もちろん滞納や未納の税金をすべて支払ってからビザの申請をすることが一番ですが、もしそれが不可能ならば、滞納理由や分割で支払っていく意思があるということを説明書や理由書に記載して立証資料を添付して申請することも可能です。

 

他のビザが切れる直前に配偶者ビザの申請をしたケース

何かしらのビザですでに日本に滞在している外国人の方が、そのビザの期限が切れる直前に結婚して配偶者ビザの申請をしたような場合も、結婚の信ぴょう性に疑問を持たれやすいケースといえます。

したがって、どうしてもこのような状況で配偶者ビザの申請をする場合は、なぜこの時期に結婚することになったのか、なぜこの時期に配偶者ビザの申請をすることになったのかを説得できるように理由書や説明書に記載して申請することが必要です。

 

外国人の方が結婚後も風営法の適用される職業を続けるケース

外国人配偶者の方が結婚後も風俗営業法の適用のある職業(水商売など)を続ける場合は、結婚の信ぴょう性を疑われ、不許可になりやすいケースといえます。

なぜなら、入管は基本的には『真実の結婚ならば通常は配偶者が水商売を続けることは許さないだろう。なのに結婚後も水商売を続けるというのは本当の結婚ではなく、水商売をするためのビザ取得かもしれない』と考えているからです。

したがって、このようなケースでも、理由書や説明書で結婚の真実性を入念に立証することが必要です。

 

結婚後も夫婦が別居しているケース

入管の審査要領では、社会通念上の夫婦の共同生活を営むといえるためには、特別な理由がない限り同居して生活していることが必要とされています。

したがって夫婦が同居していない場合も、結婚の信ぴょう性について疑問を持たれやすいケースといえます。

ただし、夫婦であっても何らかの事情で同居していないということはあり得ないことではないので、同居していない理由をきちんと説明して立証すれば配偶者ビザを取得することは可能で、別居の事実があることのみをもって不許可とはされません。

具体的には別居の経緯、別居期間、別居中の夫婦の関係、お互いの行き来の有無、生活費の状況等を理由書や説明書で立証していきます。

また、婚姻関係が破綻していて離婚の話し合いをしているとか、離婚調停中といった場合でも、必ずしも不許可となるとは限りません。

婚姻関係修復の可能性があることや、現在の経済状況に問題ないこと、将来の予定などを説明してビザを取得することもできます(離婚調停中や離婚裁判中の場合は在留期間6か月の配偶者ビザとなります)。

 

犯罪歴があるケース

外国人の方が以下にあてはまる場合には、[emphasis]原則として[/emphasis]無期限あるいは一定期間(1年、5年、10年)ビザは許可されません。

  1. 犯罪を犯して1年以上の懲役もしくは禁錮またはこれらに相当する刑に処せられたことがある
  2. 薬物事犯で刑に処せられたことがある
  3. 売春に関係のある業務に従事したことがある
  4. 退去強制されたことがある
  5. 出国命令制度により出国した
  6. 不法滞在中(オーバーステイ中)である

このような場合には例外的な措置としての上陸特別許可あるいは在留特別許可を得なければビザを取得することはできませんので、過去の犯罪に関する説明や反省、その後の生活及び再犯防止の対策等について入念に説明・立証していかなければなりません。

また、上記以外の犯罪歴がある場合や、日本人配偶者の方に犯罪歴がある場合であってもその犯罪に関する事実や反省、再犯防止についてきちんと説明することが必要です。

 

まとめ

以上、配偶者ビザが不許可になりやすいケースについてお伝えいたしました。

いずれのケースについても重要なのは、夫婦がお互いに協力し合って助け合いながら継続的・安定的に共同生活を営むという社会通念上の実体があることをどれだけ説明・立証できるかがポイントになります。