入管法上は「就労」という種類のビザはありません。
外国人が日本で就労活動を行うためには、一定の活動内容ごとに就労が認められるものとして定められた17種類の在留資格のうちのいずれかひとつを取得するか、制限なく就労活動ができる身分系の在留資格を取得しなければなりません。

 

ここでは就労が可能なビザ(在留資格)の種類として、一定の範囲に限って就労可能なビザと制限なく就労可能なビザを分けて列挙しています。

一定の範囲で就労可能なビザ

外交

「外交」は、日本国政府が接受する外国政府の外交使節団もしくは領事機関の構成員、条約もしくは国際慣行により外交使節と同様の特権および免除を受ける者またはこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動をするためのビザです。

具体的には、外国政府の大使、公使、総領事やその家族などです。

 

公用

「公用」は、日本国政府の承認した外国政府もしくは国際機関の公務に従事する者またはその者と同一世帯の家族の構成員としての活動をするためのビザです。

具体的には、外国政府の大使館・領事館の職員などやその家族などです。

 

教授

「教授」は、日本の大学もしくはこれに準ずる機関または高等専門学校において研究、研究の指導または教育をする活動をするためのビザです。

具体的には、大学教授などです。

 

芸術

「芸術」は、音楽、美術、文学などの芸術上の活動で収入を伴うものをするためのビザです。

例えば、作曲家や画家などです。

 

宗教

「宗教」は、外国の宗教団体から日本へ派遣された宗教家の行う布教などの宗教上の活動をするためのビザです。

例えば宣教師などです。

 

報道

「報道」は、外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動をするためのビザです。

報道機関の記者やカメラマンなどです。

 

高度専門職

「高度専門職」とは、法務省令である高度専門職省令で定める基準に適合する高度の専門的な能力を有する外国人材が一定の活動をするためのビザです。

高度人材外国人の受け入れを促進するために平成26年の入管法改正で新たに創設されました。

日本の法人などとの契約に基づいて行う研究や研究の指導、教育、自然科学や人文科学の分野の知識・技術を必要とする業務活動、事業の経営や管理業務などを行うものです。

 

経営・管理

「経営・管理」は、日本において事業の経営や事業の管理に従事する活動を行うためのビザです。

例えば、株式会社を設立して経営する経営者などです。

 

法律・会計業務

「法律・会計業務」は、法律上資格を有する者が行うこととされている法律や会計に関する業務に従事する活動を行うためのビザです。

例えば、弁護士や公認会計士などです。

 

医療

「医療」は、医師などの法律上資格を有する者が行うこととされている医療に関する業務に従事する活動を行うだめのビザです。

医師、歯科医師、看護師などの業務がこれにあたります。

 

研究

「研究」は、日本の公私の法人などとの契約に基づいて研究を行う業務に従事するためのビザです。

政府関係機関や企業などでの研究者としての活動です。

 

教育

「教育」は、日本の小学校、中学校、高等学校、専門学校、特別支援学校などでの教育活動をするためのビザです。

例えば、中学校や高校での語学教師などです。

 

技術・人文知識・国際業務

「技術・人文知識・国際業務」は、一定の学歴や実務経験を有する者がその知識や経験を生かして日本の公私の機関との契約に基づく活動を行うためのビザです。

このビザが認められるためには、業務内容が単純労働ではなく、一定の知識やスキルを必要とする業務であることが必要です。

「技術」とは理学、工学その他の自然科学の分野の技術を必要とする業務です。
例えば、エンジニアや技術開発のプロジェクトマネージャー業務などです。

「人文知識」とは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野の知識を必要とする業務です。
例えば、マーケティングや金融業務、コンサルタント業務などがあります。

「国際業務」とは外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務です。
例えば、通訳・翻訳業務やデザイナーの業務などです。

 

企業内転勤

「企業内転勤」とは、日本に本店や支店や事業所がある法人等で外国にも事業所がある場合に、その同一法人等の内部で外国事業所の外国人職員が、日本の事業所に一定期間転勤して業務をするためのビザです。

この業務の内容は上の「技術・人文知識・国際業務」に該当する一定の知識やスキルを必要とする業務であることが必要です。

 

介護

「介護」とは、日本の法人等との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護または介護の指導を行う業務に従事する場合のビザです。

 

興行

「興行」は、演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行活動その他の芸術活動を行うためのビザです。

外国との文化交流を推進したり、また日本の文化やスポーツの振興・向上を図るためにあります。

具体的には、俳優、歌手、スポーツ選手などがあります。

 

技能

「技能」とは、日本の法人等との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を必要とする業務に従事する場合のビザです。

具体的には、調理師、建築技術者、動物の調教、宝石の加工職人、ワインソムリエなどがあります。

 

技能実習

「技能実習」とは、開発途上国などの方々を一定期間日本で受け入れて、技術・技能・知識を修得してもらい、その方々が帰国後にその修得した技能等を活用して本国の発展に寄与してもらうためのビザです。

技能実習は技能実習法によって認定を受けた技能実習計画に基づいて、講習を受けたり、修得した技能等に基づく業務に従事するものとされています。

技能実習ビザは事業場の関係がある海外企業の従業員等を受け入れて行うか(企業単独型)、営利を目的としない団体の責任・管理の下で行うか(団体監理型)といった受入れ形態によって2つに分類され、また、その活動内容によって3つに分類されています(以下の合計6つに分類されています)。

第一号企業単独型技能実習
第二号企業単独型技能実習
第三号企業単独型技能実習
第一号団体監理型技能実習
第二号団体監理型技能実習
第三号団体監理型技能実習

 

特定活動の一部

「特定活動」とは、個々の外国人についてその活動内容を指定して許可されるビザです。

特定活動は法務大臣があらかじめ告示で定める活動(告示特定活動)と、告示で定められておらず個々に許可される活動(告示外特定活動)があります。

告示特定活動においては、その告示された内容に応じた就労活動ができます。
例えば、ワーキングホリデーやインターンシップなどがあります。

告知外特定活動には、例えば、大学卒業後の継続就職活動や起業準備活動をする場合、出国準備のための活動等があります。

告知外特定活動においても、例えば難民認定申請中の外国人が一定の条件を満たした場合には就労活動が認められるといったケースもあります。

 

制限なく就労可能なビザ

以下のビザを取得された方は、日本人と同じように何ら制限なく就労活動が可能です。
したがって、単純労働や風俗営業も可能です。

永住者

「永住者」は、法務大臣から永住の許可を受けた方のビザです。

永住者ビザの在留期間は無期限です。

 

日本人の配偶者等

「日本人の配偶者等」とは、日本人の配偶者もしくは特別養子または日本人の子として生まれた者としてのビザです。

ここでいう配偶者とは、現に婚姻関係中でなければならないので、相手方配偶者が死亡したり離婚した人、内縁関係にある人は含まれません。

※特別養子とは、日本人と民法上の特別養子縁組をした子(原則として6歳未満でなければならない)で、普通養子は含まれません。

 

永住者の配偶者等

「永住者の配偶者等」とは、永住者・特別永住者の配偶者と、永住者・特別永住者の子として日本で生まれその後引き続いて日本に在留している者としてのビザです。

 

定住者

「定住者」とは、法務大臣が特別な理由を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める者としてのビザです。

定住者には、法務大臣が告示をもってあらかじめ定める地位(告示定住)と、告示で定められておらず個々に許可される地位(告示外定住)がありますが、いずれも定住者として就労は無制限に行うことが可能です。

 

特別永住者

特別永住者とは、入管法上のビザではなく1991年(平成3年)11月1日に施行された入管特例法(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法)に定められた在留の資格を有する者をいい、その子孫も含まれます。

特別永住者証明書の交付申請は居住地の市区町村窓口になりますが、特別永住者証明書の交付を受けていないことをもって特別永住者の地位が失われることはありません。